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信濃國 大御食ノ社に伝わる神代文字で書かれた「美しの杜社伝記」を解明してます。
by 史郎


犬のこころ はじめてのバイバイ

犬のこころ はじめてのバイバイ_e0171497_134136.jpg犬のカウンセラーらが ある時、難病の子供をかかえる家族 50組を 温泉に招待して、子供たちには 犬たちとのふれ合いを 楽しんでもらい、親御さんたちには、しばしの憩いと安らぎを味わってもらおうという趣旨の イベントを開催しました。

親御さんたちが 温泉を楽しんでいる間、子供たち50人には 50頭の犬たちとのふれ合いが 始まりました。

子供たちは 難病の子ばかりなので、言葉も充分に発することが出来なかったり、身体を満足に動かすことさえ出来なかったりと、さまざまな子が いたそうです。

それでも皆、この新鮮な出会いを 喜んでいたそうです。
その中で一人だけ、犬とのふれ合いから離され、無表情なままの子がいました。
その子は 重い自閉症で、笑いもしないし、泣きもしない。




それだけでなく、この子は 近づくものを 乱暴に叩く 癖があるというのです。
それも1回や2回ではなく、延々と叩き続ける。
・・・・・ 手加減なく 叩き続ける。

そのため、犬との触れ合いから 引き離されていたのでした。
犬のこころ はじめてのバイバイ_e0171497_243930.jpg
しかし、ラブラドールレトリバーを連れてきていた 飼い主さんが、その子の存在に 気が付きました。

この人は 事情を聞くと、
「 うちのラブは 30kgもあって 頑丈なので、叩かれても平気だから その子に 触らせてあげてください 」
と言いました。

付き添いの看護師さんは、
「 本当に 乱暴に叩くので、ワンちゃんが 可哀想ですよ 」
と 止めるのですが、ラブの主人は、
「 大丈夫ですよ 」
と 自分の犬を その子のとなりに 伏せさせました。

はじめ その子は、犬に興味など ないかのように そっぽを向いて じっとしてました。

しばらくすると、いきなり 大声をあげて、隣に伏せたラブを バンバン叩き始めたそうです。
何度も 何度も おもいきり。

それでも犬は 文句も言わずに、叩かれるままに じっと我慢していました。
その間 なんと 30分。

そこへ その子のお母さんが、温泉からあがって、やってきました。

犬が 自分の子に叩かれているのを見て、あら大変と、犬から自分の子を離そうと思った瞬間、お母さんは衝撃を受けました。

「あっ、あっ、あーっ ・・・ 涙が、涙が!」

その子は、涙を流しながら、ワンちゃんを 叩いていたのです。

お母さんは 絶句して 立ち尽くしてしまいました。
はじめて見る、息子の 泣く姿を 前にしながら・・・・。

叩き疲れたその子は しばらくすると、さらに驚いた行動に出ました。
叩くのを突然やめて、ワンちゃんの背中に抱きついて、ワンちゃんの毛に 頬ずりを し始めたのです。
涙を流しながら、そして顔には かすかな微笑を浮かべながら・・・。

お母さんは、息子の 信じられない姿を見て、口を押さえ、嗚咽をこらえ、見入っていたといいます。

生まれてこのかた 一度も泣くことなく、笑うこともなかった その子に、涙を流させ、微笑を思い出させた、その ラブラドールレトリバーの力とは 何だったのか?

とても 感動的で、考えさせられる話です。


このあと、犬と この子が引き離される時に、子供が示した反応、それから 最後の 更なる驚き・・・・

それが、はじめてのバイバイ のはなしです。


犬のこころ  犬のカウンセラーが出会った11の感動実話 / 三浦 健太
はじめてのバイバイ より
by hansaki460 | 2013-06-18 00:35 | 一般
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