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人生を背負ってくれる人に 甘えない&【放射性物質拡散予想図】
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人生を 背負ってくれる人に 甘えない また、浅田次郎の一節です。 「 野方のアパートで 二人きりになるたびにね、何度も言われた。 もっと 面倒を見させてくれって。 城所さんや子供らを 幸せにしたいんじゃないよ、 僕が そうしたいんだ、そうすることが 僕の幸せなんだ って。 おかあちゃんが 笑ってごまかそうとするとね、 いつも 拳を握りしめて、悔し泣きをした」 「 悔し泣き、か―― 」 「 どうして、なぜ、って言われた。 そんなこと 言われたってねえ 」 「 どうして、って、俺も言いたいけれど 」 「 ばか 」 と 母は鼻で嗤った。 「 おまえたちの立場を 考えたわけじゃないよ。 おかあちゃん、あのころ 大変だったし、 その先もっともっと 大変になるのは わかっていたからね。 大好きな小林さんに、そんな 大荷物を担いでもらうわけにはいかなかった 」 母は どうして こんなに 潔いのだろうと、安男は思った。 恋をしても、貧乏をしても、心臓が 今にも止まりそうになっても、 まるで 馬上の風に 吹かれるように、いつも背中が 伸びている。 「 ありがたかった 」 ぽつりと 母は言った。 さまざまの懊悩や 逡巡のうちに、 母が 真冬のバス停の街灯の下で思いついた結論は、 その 一言だったのだろう。 「 ありがたくて、涙が出たよ。 北海道の家は 牧場だったの 」 「 ああ、それは 聞いたことがあるな。 来年の夏休みには みんなを連れて 行ってやるって言ってた。 実現 しなかったけれど 」 「 わかるだろ。 城所一也になるってことは、そんな 立派な家を捨てても、 私らと 苦労をしてくれるって ことさ。 おまえたちの 苗字を変えずに、自分の苗字を 変えてくれるってことさ。 三十年 生きてきた自分の人生を みんな捨てて、 そのかわりに おかあちゃんの人生を 背負ってくれるってくれるってことだよ。 そんな決心までされて、甘えることができると思う? 」 やはり 小林のやさしさは、母の器から あふれ出てしまったのだ。 「 世の中には 神も仏もいないけど、神様みたいな人はいるものさ。 ねえ、ヤッちゃん。 おまえも苦労をして、そういう人に 会ったろう 」 「 会ってねえよ 」 安男は 吐き棄てるように言った。 「 そのうち現れるさ。 まだまだ 苦労が足らないんだ 」 ・・・・浅田次郎 『 天国までの百マイル 』より ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4月17日(火) 4月18日(水) 4月19日(木) .
by hansaki460
| 2012-04-17 07:13
| 一般
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